本研究では、構造方程式モデリング(SEM)による分析結果に基づき、モデルの改善を行いました。当初のモデル「バージョン1」では、戦略的連携から競争優位への直接パスが非有意であることが判明したため、このパスをモデルから除外しました。
さらに、調査票の設計による回答バイアスの可能性を考慮し、戦略的連携から組織機敏性へのパスについても除外しました。これらの修正を加えた改善モデル「バージョン2」による再分析を実施したところ、その結果は下図となりました。

再分析の評価指標としては、GFI(適合度指標)が0.788、AGFI(調整済み適合度指標)が0.759、CFI(比較適合指数)が0.880、RMSEA(近似誤差平方根)が0.059となりました。当初モデルと比較して、モデルの適合度に大きな低下は認められませんでした。また、各パス係数も有意に推定されました。
これらの結果を踏まえ、改善後のモデルを本研究における最終的な分析モデルとして提案します。モデル修正により、より実証データに適合した構造となり、分析の信頼性が高まったといえます。